一般貨物自動車運送事業の審査基準
運送事業許可申請では次の許可要件を「人・物・金」と表現されることが有り、全ての許可要件を満たすことで、事業開始に向けたスタートラインに立つことになります。
許可要件には、それぞれに細かい基準が設けられいて、その基準を理解する上で、技術的に法令の解釈を要するものもあり、なかなか難解なもでもあるのではないかと思います。
次に案内する各要件の基準を照らし合わせながら、一つひとつ丁寧に申請に向けた作業を進めることが、事業開始の近道ではないかを思います。
1.営業所
営業所とは、営業における本拠であり、営業上の主要な事業活動が行われる場所となります。また、次の要件を満たすものであり、それぞれの資料の添付が求められます。 |
① 使用権原を有すること。 自己所有の場合・・・・・登記簿謄本等 他人所有(借入)場合・・賃貸借契約書の添付又は提示 (注:許可日において「2年以上」の契約期間がある事、及び、使用目的が「事務所等の事業用」となる契約書が必要です。 契約期間が2年未満である場合は、期間満了時に自動更新される旨の記載が確認できれば可となります。) ② 農地法、都市計画法及び建築基準法等の関係法令に抵触しないこと。 関係法令等に抵触しない旨の宣誓書の添付が必要です。 ・市街化調整区域内では自治体の許可なく建物の建築はできません。適法に建っている既存建築物も、用途が「住宅」となる場合は事務所として使用できません。 (「住宅」の一画を「事業所」への用途変更することにより営業所としての使用が許可されることが有ります。その際も、自治体との慎重な確認作業が必要であ り、また、当該変更手続きにおいても時間と労力を要する覚悟が必要となります。) ・市街化調整区域内においては、トレーラーハウス等の設置によりを事務所としての使用を許可される場合が有ります。その際も、各自治体によるローカルルールが 有りますので、事前に確認の上で導入(購入)の検討をなさってください。 ・農地法上の農地に建つ建築物を事務所等として使用することはできません。 ③ 規模が適切であること。 ④ 必要な備品を備えているなど、業務遂行上適切なものであること。 ③、④が適切であることが確認できる写真の添付が必要です。 ・営業所には、事務机、イス、電話、FAX、帳簿書類等を保管できる棚の設置が必要となりますので、それらのものが設置できるスペースが確保されていることが 求められます。 ・申請時に備品等が用意できない場合は、事後的に、必要な備品等が備えられていることが確認できる写真を提出しなければなりません。 |
2.車両数
① 営業所ごとに配置する事業用自動車の数は、種別ごとに5台以上であること。 ・車検切れ、ディーゼル規制、NOx・PM規制に該当する車両はカウントされません。 ② けん引車、被けん引車を含む場合に最低車両台数の算定方法は、「けん引車+被けん引車」を1両とする。 ・けん引車、被けん引車の保有比率は、最低車両台数基準を上回る部分は制限されません。 ③ 霊柩運送、一般廃棄物運送、一般的に需要の少ないと認められる島しょの地域における事業については①に拘束されない。 ・霊柩輸送または一般廃棄物輸送のみを行う場合は、1両でも申請ができます。 |
3.事業用自動車
① 事業用自動車の大きさ、構造等が輸送する貨物に適切であること。 ② 使用権原を有すること。 ・リースによる借入車両でも事業に使用することができますが、概ね1年以上の契約期間がある事が必要で、リース契約書の添付又は提示を要します。 |
4.車 庫
事業用自動車のすべてを適切に収容することができる車庫を要し、収容が可能であることの写真の添付が求められます。 |
① 原則として営業所に併設すること。 ただし、営業所に併設できない場合でも、営業所と車庫の距離が次の距離であれば一般貨物自動車運送事業の車庫として使用が可能となります。 営業所の所在地 直線距離 ・東京都(23区)、神奈川県(川崎市・横浜市) 20㎞以内 ・東京都(23区以外)、神奈川県(川崎市・横浜市 10㎞以内 以外)、千葉県、埼玉県、茨城県、群馬県、山梨県 ② 車両と車庫との境界および車両相互間の間隔が50cm以上確保され、かつ、計画車両のすべてを容易に収容できること。 ・車庫の必要面積として一両当たりの目安(概算)を次のとおり定めていて、上記概算面積で計算した数値が車庫の収容面積の100%を超える場 合は、車両明細書及び車両配置図等を添付し、車両相互間の間隔が50㎝以上確保されていることを証明します。 1両当たりの必要面積 普通車両・・・・・・・38㎡ 小型車両・・・・・・・11㎡ けん引車両・・・・・・27㎡ 被けん引車両・・・・・36㎡ ・上記数値とは別に、各運輸局では車両1両当たりの概算面積を参考値例とし、参考値例で計算された各車両の合計面積が、車庫の収容面積の9 0%未満となる場合は、車両明細及びや量配置図の添付を不要としております。 1両あたりの必要面積 最大積載量7.5t超・・・・・・・・・38㎡ 最大積載量2tロング超~7.5t・・・28㎡ 最大積載量2tロング・・・・・・・・・20㎡ 最大積載量2t以下・・・・・・・・・・15㎡ (関東運輸局参考値例) ※上記数値は、煩雑となるチェック機能に対する便宜上のものであり、各運輸局による目安にすぎません。 原則の面積要件は、車両の前後左右にそれぞれ50㎝以上の間隔が確保されていることが必要条件となります。 ③ 他の用途に使用される部分と明確に区画されていること。 ④ 使用権原を有すること。 自己所有の場合・・・・・登記簿謄本等 他人所有(借入)場合・・賃貸借契約書の添付又は提示 (注:許可日において「2年以上」の契約期間がある事、及び、使用目的が「駐車場」となる契約書が必要です。 契約期間が2年未満である場合は、期間満了時に自動更新される旨の記載が確認できれば可となります。) ⑤ 農地法及び都市計画法等の関係法令に抵触しないこと。 関係法令等に抵触しない旨の宣誓書の添付が必要です。 ・農地法上の農地は車庫として使用することができません。 ・市街化調整区域内につきましても青空駐車場であれば問題はありませんが、次の点の注意が必要となります。 *用途地域によっては屋根付き駐車場が制限されております。また、自治体の許可無く屋根の設置やアスファルトの施工は都市計画法違反とな りますのでご注意ください。 ⑥ 前面道路との関係において車両制限令に抵触しないこと。 前面道路が「国道以外」の場合は、「道路幅員証明書」の添付が必要です。また、車庫地から私道を通過して公道に出るような場合は、私道の 所有者の通行許可証明書の添付も必要となります。 ・道路を通行できる車両の幅は、車両制限令により制限され、道路が「市街化区域内にあるのか否か」、「一歩通行道路であるか否か」等の区分に より通行可能車両の幅が定められております。 ※一般的な参考例として、「市街地区域内道路(車両制限令第5条)」を案内いたします。 *道路管理者が自動車の交通量がきわめて少ないと認めて指定したもの又は一方通行道路 通行できる最大車両・・・・・車道幅員-50㎝ *通常の道路 通行できる最大車両・・・・・(車道幅員-50㎝)÷2 *歩道が設けられていない道路で路肩幅員が明らかでないもの又は路肩幅員の合計が1m未満の道路 通行できる最大車両・・・・・その道路の全体幅員-1m |
5.休憩・睡眠施設
トラックドライバーの安全運行の確保のため、適切な休憩・睡眠施設が備えられていることが必要です。 休憩施設に必要な備品等が備え付けられていることの分かる写真の添付が必要となります。 |
① 乗務員が有効に利用できる適切な施設であること。 ② 睡眠を与える必要のある場合、乗務員1人当たり2.5平方メートル以上の広さを有すること。 ・睡眠がとれる十分な広さである事が条件ではあるが、運転者が休憩施設として使用し睡眠をとらない場合は、いつでも休憩ができるテーブル、イ ス、ソファー等が備え付けられて入れば(写真の添付で証明)十分となります。 ③ 原則として営業所又は車庫に併設されていること。 ・営業所に併設ができず、車庫に休憩睡眠施設を併設する場合は、その休憩睡眠施設の所在地と休憩睡眠施設を併設しない車庫の所在地の距離が、 10㎞(東京都特別区、神奈川県横浜市・川崎市に営業所を設置する場合にあっては、20㎞)以内であることが必要です。 ④ 使用権原を有すること。 自己所有の場合・・・・・登記簿謄本等 他人所有(借入)場合・・賃貸借契約書の添付又は提示 (注:許可日において「2年以上」の契約期間がある契約書が必要です。 契約期間が2年未満である場合は、期間満了時に自動更新される旨の記載が確認できれば可となります。) ⑤ 農地法、都市計画法、建築基準法等の関係法令に抵触しないこと。 基準は「営業所」と同じ基準になり、また、関係法令等に抵触しない旨の宣誓書の添付が必要です。 |
6.運行管理体制
事業の適切な運営を確保するため、次に掲げる管理体制を整えていることが必要です。 |
① 事業計画を適切に遂行するために必要な員数の運転手を常に確保していること。 ・日々雇い入れられる者、2か月以内の期間を定めて使用される者又は使用期間の者(14日を超えて引き続き使用されるにいたる者は除き ます。)は必要員数に数えることはできません。 ② 専任を義務付けられる員数の常勤の運行管理者を確保する管理計画があること。 ・常勤の運行管理者を次の表の通り一定数以上確保する必要があります。 事業用自動車数(被けん引車を除く) 29両まで ・・・1人 120~149両・・・5人 30~59両・・・2人 150~179両・・・6人 60~89両・・・3人 180~209両・・・7人 90~119両 ・・4人 210~239両・・・8人 ・運行管理者を確保できていない状況でも許可取得はできますが、営業ナンバー登録、運輸開始を行うことはできません。それまでに必要員数を確 保する必要があります。 ・パートやアルバイトが運行管理者に就任することはできません。 ・運行管理者には常勤性が求めておりますので、現実的に運転者との兼務はできないものと思われます。 (ただし、運行管理者が2名以上、または運行管理補助者が選任されている場合は兼務が可能となります。) ・運行管理者と整備管理者の兼務は可能です。 ・運行管理者に専任性を求めていますので、他社の運行管理者の兼務は不可となり、又は自社の他営業所の運行管理者、補助者の兼務も不可とな ります。 ③ 運転者い勤務割及び常務割は「貨物自動車運送事業の事業用自動車の運転者の勤務時間及び乗務時間に係る基準」に従うこと。 ・1運行はフェリーに乗船する場合を除いて、144時間までとされています。 ④ 運行管理の担当役員等の運行管理に関する指揮命令系統が明確であること。 ⑤ 車庫が営業所に併設できない場合には、車庫と営業所が常時密接な連絡をとれる体制を整備するとともに、点呼等が確実に実施さ れる体制が確立されていること。 ⑥ 事故防止についての教育、指導体制を整え、かつ、事故の処理及び自動車事故報告規則に基づく報告の体制が整備されていること。 ⑦ 危険品の輸送を行う場合は、消防法等関係法令に定める取扱資格者が確保されていること。 |
7.点検及び整備管理体制
トラックの安全運行を確保するため、事業用自動車の点検及び整備体制を記載した書類の提出が必要となります。 |
① 選任を義務付けられる員数の常勤の整備管理者を確保する管理計画があること。 ・整備管理者を確保できていない状況でも許可取得はできますが、営業ナンバー登録、運輸開始を行うことはできません。それまでに必要員数を確 保する必要があります。 ・パートやアルバイトが運行管理者に就任することはできません。 ・整備管理者と運転者の兼務は可能となります。 ・運行管理者と整備管理者の兼務は可能です。 ・既に他社の整備管理者登録をされている者の選任は不可となります。 ・自社の他営業所の運行管理者、補助者の兼務も可能となります。ただし、物理的に兼務が不可能な距離にある場合は兼務不可となります。 ・外部委託は不可となります。 (例外的に、一定の要件を満たすグループ企業に整備管理者を外部委託する場合は、整備管理に関する業務が確実に実施される体制が確立されて いることを条件に認められる場合が有ります。) ・霊柩の輸送又は一般廃棄物の輸送のみを行う場合で、車両台数が5台未満の場合は、整備管理者を置く必要はありますが、有資格者である必要は ありません(許可後の選任届も必要ありません)。 ② 点検及び整備管理の担当役員等、点検及び整備管理に関する指揮命令系統が明確であること。 ・特に、整備管理者が選任されていない営業所は、事業者が整備管理を確実に行わなければありません。 |
8.資金計画
自己資金は、事業の開始に要する資金(以下、「所要資金」という。)に相当する金額以上でなければなりません。そのため、健全にトラック運送事業を始めるためには、はっきりとした資金計画の立案が必要となります。 |
① 資金調達について十分な裏付けがあること。 ・自己資金につきましては、申請事業に係る預貯金のほか、処分権者の判断により預貯金以外の流動資産も含めることができます。 ・貨物自動車運送事業法施行規則の規定による添付する書類 申請人が既存の法人である場合 ⑴ 定款又は寄附行為及び登記事項証明書 ⑵ 最近の事業年度における貸借対照表 ⑶ 役員又は社員の名簿及び履歴書 申請人が法人を設立しようとする場合 ⑴ 定款(公証人の認証を受けた設立定款等)又は寄附行為の謄本 ⑵ 発起人、社員又は設立者の名簿及び履歴書 ⑶ 設立する法人が株式会社である場合の株式引き受け状況及び見込みを記載した書類 申請人が個人である場合 ⑴ 資産目録 ⑵ 戸籍抄本 ⑶ 履歴書 ② 所要資金の見積もりが適切であり、かつ、資金計画が合理的かつ確実なものであること。 ・資金計画は次のア~カの合計額とし、各費用ごとに以下に示すところにより計算されている必要があります。 ア 車両費・・・・・取得価格(分割の場合は頭金及び1年分の割賦金)又は、リースの場合の1年分のリース料等 イ 建物費・・・・・取得価格(分割の場合は頭金及び1年分の割賦金)又は、賃貸の場合の1年分の賃貸料料及び敷金等 ウ 土地費・・・・・取得価格(分割の場合は頭金及び1年分の割賦金)又は、賃貸の場合の1年分の賃貸料料及び敷金等 エ 保険料・・・・・❶ 自動車損害賠償責任保険料又は自動車損害賠償責任共済金(自賠責)の1年分 ❷ 自動車保険(任意保険)料の1年分又は交通共済加入の掛金の1年分 ❸ 危険物を扱う運送の場合は、当該危険物に対応する賠償責任保険料の1年分 オ 各種税・・・・・租税公課の1年分 カ 運転資金・・・・人件費、燃料油脂費、修繕費等の6ヶ月分 ③ 所要資金の全額以上の自己資金が、申請日以降許可日までの間、常時確保されていること。 ・預貯金額につきましては、申請日時時点及び許可処分までの適時の時点での残高証明等の提示又は写しの提出が求められ、都度確認が行われま す。 |
9.法令遵守
① 申請者又はその法人の役員は、貨物自動車運送事業の遂行に必要な法令の知識を有し(役員法令試験に合格する。)、かつ、 その法令を遵守すること。 ② 健康保険法、厚生年金法、労働者災害補償保険法、雇用保険法に基づく社会保険及び労働保険(以下、「社会保険等」とい う。)の加入義務者が加入すること。 ③ 申請者又は申請者が法人である場合の業務を執行する役員(名称を問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含み ます。)が貨物自動車運送事業法及び道路運送法違反により申請日前6ヶ月間(悪質な違反については1年間)又は申請日以降に、 車両停止以上の処分又は使用制限の処分を受けた者ではないこと。 その他法令遵守状況に著しい問題があると認められる者ではないこと。 ・「悪質な違反」とは、次のケースを指します。 ❶ 違反事実若しくはこれを証するものを隠滅し、又は隠滅する疑義が生ずる相当の理由が認められる場合。 ❷ 飲酒運転、ひき逃げ等の悪質な違反又は社会的に影響のある事故を引き起こした場合。 ❸ 事業停止処分を受けた場合。 ④ 新規許可申請事業者に対しては、許可書交付時に指導講習を実施をすること。 また、運輸開始届出後1~3ヵ月以内に実施される地方適正化実施機関の指導員による巡回指導によって改善が指摘され、その後に おいても改善が見込まれない場合は、運輸支局による監査等の実施を受けるものとする。 ・「巡回指導」は、営業所、車庫、車両等の現況確認とともに、関係法令の遵守状況を中心に行われます。 |
10.賠償能力
トラック運送事業者は、常に交通事故に対する社会的責任を負い、その事故に対する賠償能力を備えておくことが求められております。 |
① 自動車損害賠償責任保険又は自動車損害賠償責任共済の加入する計画のほか、一般自動車損害保険(任意保険)の締結等十分な 賠償能力を有すること。 ② トラック保有台数が100両以下の貨物運送事業者は、対人賠償額限度額が無制限及び対物賠償限度額が200万円以上の任意 保険に加入すること。 ③ 石油類、化成品類又は高圧ガス類等の危険物の輸送に使用する事業用自動車については、上記の他、当該輸送に対応する適切な 保険に加入する計画があり、十分な損害賠償能力を有すること。 ④ 危険物の輸送の他必要に応じ、貨物の運送に生じた損害を賠償する必要な金額を担保することができる保険契約に加入する計画 があること。 |
11.欠格事由
欠格事由につきましては、「一般・特定貨物自動車運送事業の始め方」のリンクで紹介しております。そちらを参照ください。 |
特別積合せ貨物運送の審査基準
1.荷扱所
事業者が自らの事業用自動車を配置せず、かつ、積卸施設を整備しているもの(直接荷扱所)とされ、また、他業者の営業所又は荷扱所も荷扱所(委託荷扱所)とすることができます。 ただし、運行系統の起点又は終点には、営業所又は直接荷扱所を設置することとし、委託荷扱所は設置できません。 さらに、委託荷扱い所の場合、事業計画に委託先の事業者名を記載します。 |
① 使用権原を有すること。 ② 農地法、都市計画法及び建築基準法等の関係法令に抵触しないこと。 ③ 規模が適切であること。 |
2.積卸施設
① 営業所又は荷扱所に併設してあること。 ② 使用権原を有すること。 ③ 農地法、都市計画法及び建築基準法等の関係法令に抵触しないこと。 ④ 施設は、貨物の積卸機能のみならず、荷捌き・仕分け機能、一時保管機能を有するものであること。 ⑤ 施設の取扱能力は、当該施設に係る運行系統及び運行回数に見合うものであること。 |
3.営業所及び荷扱所の自動車出入口
複数のトラックを同時に底流させることのできる積卸施設を有する営業所及び荷扱所については、営業所及び荷扱所の自動車の出入口の設置が、出入口に接する道路における道路交通の円滑と安全を阻害しないこと。 |
4.運行系統及び運行回数
① 運行系統毎の運行回数は車両数、取扱い貨物の推定運輸数量、積卸施設の取扱能力等から適切なものであること。 ② 取扱い貨物の推定運輸量は算出基礎が適格であること。 ③ 運行車の運行は少なくとも1日1往復以上の頻度で行われるものであること。 (ただし、一般需要の少ない島しょう、山村等の地区においてはこの限りではありません。) |
5.積合せ貨物管理体制
① 貨物の紛失を防止するための適切な貨物追跡管理の手法又は設備を有していること。 ② 貨物の滅失・毀損を防止するために、営業所及び荷扱所において適切な作業管理体制を有していること。 ③ 貨物の紛失等の事故による苦情処理が的確かつ迅速に行いうる体制を有すること。 |
6.運行管理体制
運行系統別の乗務基準が勤務時間等基準告示に適合するものであること。 |
貨物自動車利用運送の審査基準
貨物自動車利用運送を行う場合、一般貨物自動車運送事業の1~10までの各項に加え、次の各号についても審査されます。 |
① 貨物自動車利用運送に係る営業所については、使用権原を有していること、農地法等の関係法令に抵触していないこと及び規模が 適切であること等の条件を満たしていること。 ② 業務の範囲については、「一般事業」又は「宅配事業」の別をする。 ③ 保管体制を必要とする場合は、保管施設を保有していること。 |
特定貨物自動車運送事業の審査基
1.運送需要者
特定の荷主からの需要に応じることを要件としておりますので次の運送需要者要件が求められます。 |
① 単数の荷主に特定され、その荷主の大部分の輸送量を確保できること。 ② 第三者を介入することなく、運送契約及び運送の指示が特定荷主との間で直接行われること。 |
2.運送契約期間等
特定荷主との間に、輸送品目、輸送量及び運賃等の必要事項が記載された1年以上の継続した運送契約が締結されていること。 |
3.営業所
一般貨物自動車運送事業の許可基準と同一条件となります。そちらをご参照ください。 |
4.車両数
一般貨物自動車運送事業の許可基準と同一条件となります。そちらをご参照ください。 (ただし、特定荷主の輸送量等の実情により関東運輸局長が個別に認める場合はその条件となります。) |
5.事業用自動車
一般貨物自動車運送事業の許可基準と同一条件となります。そちらをご参照ください。 |
6.車庫
一般貨物自動車運送事業の許可基準と同一条件となります。そちらをご参照ください。 |
7.休憩・睡眠施設
一般貨物自動車運送事業の許可基準と同一条件となります。そちらをご参照ください。 |
8.運行管理体制
一般貨物自動車運送事業の許可基準と同一条件となります。そちらをご参照ください。 |
9.点検及び整備管理体制
一般貨物自動車運送事業の許可基準と同一条件となります。そちらをご参照ください。 |
10.資金計画
一般貨物自動車運送事業の許可基準と同一条件となります。そちらをご参照ください。 |
11.法令遵守
一般貨物自動車運送事業の許可基準と同一条件となります。そちらをご参照ください。 |
12.損害賠償能力
一般貨物自動車運送事業の許可基準と同一条件となります。そちらをご参照ください。 |
13.その他
既に特定貨物自動車運送事業を行う事業者が、特定の運送需要者を新たに追加する場合は、特定貨物自動車運送事業の廃止及び一般貨物自動車運送事業の許可申請手続きを行うこととする。 |
まとめ
上記の案内からもお分かりの通り、貨物自動車運送事業では多くの審査要件があり、それぞれの要件が満たすものでなければならず、さらに、それを証する資料の添付が求められます。よって、申請書作成の過程においては、それぞれの審査要件が適性に満たされているものであるかを一つひとつ丁寧に確認しながら作業を進めていくことが重要となります。
運送事業許可申請業務は行政書士が扱う許認可申請業務の中でも難解な業務の一つとなり、よって、不慣れな方が当該申請業務を行うにはたいへん負担を要することが予測されます。
是非、「自らの申請手続きに不安を抱える方、できるだけ早く事業を開始したい方など」は、申請書作成の専門家である「行政書士」にご相談されることをお勧めいたします。