車庫証明書の申請は自動車を保有するための第一歩目です
次の自動車には車庫証明書の申請が必要となります
次の自動車を所有又は使用する場合、まず車庫証明の申請が必要となります。しかし、全ての自動車に車庫証明の申請を義務付けているわけではありません。自動車を新しく購入される場合の他、住所地・事業所の移転、又は所有者変更等の原因が発生した場合などは車庫証明の申請が必要となります(なお、使用舗本拠の位置が変わらず、保管場所の位置のみが変更となる場合は、「申請」ではなく「届出」となります)。
対象車両
小型特殊自動車、軽自動車(届出の必要な地域を指定)、二輪の小型自動車及び二輪の軽自動車を除くすべての自家用自動車
(一部において、車庫証明の申請(届出)を不要とする地域が有ります。車庫証明申請の判断に迷われる場合は、事前に管轄警察署にお問い合わせください。)
申請には次の保管場所の確保が必要です
道路以外の場所であり、車庫、空き地、その他自動車を通常保管するための場所でり、かつ、実際に保管場所としてその使用ができる次の要件を満たす場所でなければなりません。
ア 使用の本拠の位置(※1)と保管場所の位置が直線距離で2キロメートルを超えないこと。
イ 車両禁止道路等の通行することのできない道路以外の道路から支障なく出入りさせ、かつ、自動車全体を収容できること。
ウ 保管場所として使用権原(※2)を有していること。
(※1)使用の本拠の位置とは、自動車の保有者(所有者に限定されません。)、その他管理責任者の所在地であり、
個人の場合:実際に居住しているところ
法人の場合:自動車を使用する事業所、営業所等活動の実態があるところをいいます。
(※2)使用権原とは、自動車を使用することを正当化する法律上の原因を有することとされております。
申請書の入手方法及び記載上の注意事項
車庫証明の申請手続きでは、次に案内する申請書の提出が必要となります。
なお、申請書の入手方法につきましては、警察署で配布されているものを入手する方法と、警察署ホームページよりダウンロードして入手する方法が有ります。
ダウンロードにより入手したものを、そのままパソコンを利用して指定箇所に必要事項を入力し、さらに図面を作成した後印刷したものを申請することも可能となりますので、だれが見ても読みやすいものであり、かつ、記載ミスも事前に防ぐことができますのでたいへん便利かと思います。
手書きをされる場合は、消すことのできない黒のボールペンで、しっかりと丁寧に記入することが重要となります。
申請に必要な書類及び申請方法
車庫証明の申請(小型特殊車両・軽自動車等を除く申請の必要な車両)では次の書類の提出が必要となります。
1.自動車保管場所証明申請書(2通)
2.自動車保管場所標章交付申請書(2通)
(警察署で当該申請書を入手される場合、上記1・2をまとめ4枚綴りの申請書として入手されます。)
3.保管場所使用権原疎明書面(1通)
次のいずれかの書類を提出することになります。
a. 保管場所が自己所有又は自己管理の場合・・・・・自認書
b. 保管場所が他人所有又は他人管理の場合・・・・・保管場所使用承諾証明書又は契約書(写し)等の保管場所使用承諾証明書の要件を満たす書面
c. 保管場所が共有で所有又は管理する場合・・・・・共有者全員の保管場所使用承諾証明書
4.保管場所の所在図・配置図
注:申請者住所と使用の本拠の位置が異なる場合
審査や現地調査の結果、使用の本拠の位置が確認できない場合、次のいずれかの書類の提出が必要となります。
・使用の本拠の位置における公共料金の領収証(生活感を想像するに十分な金額が記載されたもの)
・使用の本拠の位置及び申請者名が記載された郵便物等
・居住又は営業の実態が確認できる書面の写し
いずれの追加資料も、使用の本拠の位置を疎明するに十分な資料である事が求められます。
申請方法につきましては、上記の必要書類を束ねたものを管轄警察署の担当窓口に申請し、3~7日後に再度警察署で証明書の発行を受けます。なお、郵送による申請方法もありますが、詳細は関係機関にお問い合わせください。
申請書の書き方
自動車保管場所証明申請書及び自動車保管場所標章交付申請書
自動車保管場所証明申請書及び自動車保管場所標章交付申請書の記入項目は重複しております。よって、こちらでは自動車保管場所証明申請書の記入例を用いてご説明いたします。なお、当該申請書を作成する上でミスをなくすためにも、次の書類を事前に用意なされることをお勧めいたします。
車検証、住所地を正確に記載した書類(免許証・住民票等)、保管場所を賃貸されている場合の賃貸契約書等
※ 軽自動車の届出及び保管場所変更の届出につきましては、後ほど「届出の書き方」でご説明いたします。
記入例(自己が所有する土地を利用(自認書を使用)した場合の記入例)
記入例①~④の項目につきましては、車検証(新車の場合は、完成検査修了証)記載事項を参考に記入致します。
① 車名 : トヨタ、日産等の自動車メーカー名を記入します。
(車名とはありますが、クラウンやスカイライン等の車種を表す名称の記入ではないことにご注意ください)
② 型式 : 車検証の「型式」欄に記述されておりますとおりに記入します。
(並行輸入車等には、「型式不明」や「‐ABC123-」と記載されているものもあります。車検証の記載通りの記入が求めておりますので、
そのまま正確に記入ください)
③ 車体番号 : 車検証に記載されております車体番号を記入します。
(新車など車体番号が未確認の場合、該当欄が「未記入」のままでも申請書を提出することができます。ただし、このままでは証
明書の発行はできませんので、後日車体番号が判明次第、速やかに追記し発行を得るようにしてください)
(車体番号は証明書交付後に訂正をすることができません。十分にご確認の上申請書を提出下さい)
④ 自動車の大きさ : 車検証に記載されております長さ、幅、高さを記入します。
(単位はcmであり、mm以下の単位は切り捨てとなります)
⑤ 使用の本拠の位置 : 個人の場合・・・通常の居住地を記入します。
法人の場合・・・事業所、営業所等の活動実態のあるところを記入します。
(個人の場合、通常は住民票上の住所地となりますが、例外として、上記記載の証明書の添付より、住所地以外で使用の本拠の
位置が認められることになります)
⑥ 保管場所の位置 : 実際に駐車場として使用する場所であり、次の要件を満たす住所地を記入します。
ア 使用の本拠の位置(※1)と保管場所の位置が直線距離で2キロメートルを超えないこと。
イ 車両禁止道路等の通行することのできない道路以外の道路から支障なく出入りさせ、かつ、自動車全体を収容できること。
ウ 保管場所として使用権原(※2)を有していること。
(自宅敷地内住所を記入する場合、マンションなどの部屋番号を記入する必要はありませんが、月極駐車場など、駐車区分番号が
ある場合は駐車場住所地の最後尾に記入します)
⑦ 保管場所標章番号 : 「使用の本拠の位置」と「保管場所の位置」が車両入替えを予定する自動車と同一の場合、旧自動車の車庫証明取得時に交
付された保管場所標章番号を記入することで所在図の省略ができます。(配置図の省略はできません。)
(通常は空欄で申請書を提出致します)
⑧ 警察署名 : 申請先の警察署名(保管場所を管轄する警察署名)を記入します。
⑨ 申請者 : 申請者の郵便番号、住所、氏名、フリガナ、電話番号を記入します。
(使用の本拠の位置に住所地以外を記入の場合も、住民票上の住所を記入致します)
⑩ 日付 : 和暦で申請書の提出日を記入します。
⑪ 所有区分 : 保管場所の土地が自己単独所有の場合は「自己」、他人が所有する土地を使用する場合は「他人」、共有する土地を使用する場合は
「共有」に〇を付けます。
⑫ 代替車登録番号・車体番号 : 車両入替による申請である場合に入替予定自動車の登録番号及び車体番号を記入します。
⑬ 連絡先 : 日中に対応できる連絡先を記入します。
自動車保管場所使用承諾書
他人が所有又は管理する土地を使用して車庫証明を申請する場合、こちらの用紙を作成・提出する必要があります。なお、自動車使用承諾書は申請先都道府県によって様式に違いが有ります。管轄警察署より事前に入手したものをお使い頂くようにしてください。
記入例(千葉県の使用承諾書の様式の場合)
① 保管場所の位置 : 上記、自動車保管場所証明申請書、⑥に記入した住所を記入します。
(駐車区分番号が有る場合は忘れずに記入ください)
② 保管場所の使用者 : 保管場所を使用する者(申請者)の住所、氏名、電話番号を記入します。
③ 使用者と契約者の関係 : 保管場所を使用する者(申請者)と駐車場契約者との関係の関係に該当する項目に〇で囲います。
(使用者(申請者)と保管場所所有者の関係ではありませんので、間違えて記入しないようにご注意下さい)
④ 保管場所の契約者 : 保管場所(駐車場)を契約されている方の住所、氏名、電話番号を記入します。
(使用者(申請者)と契約者が同一人である場合は、記入は不要です)
⑤ 使用期間 : 次の条件を満たす駐車場の契約期間を記入します。
契約書に契約期間の定めが無い場合は予定する使用期間を記入します。
・契約期間の始期日が申請日よりも前の日付であること
・1か月以上の使用期間が残っていること
(新規に駐車場を契約される場合は、1年以上の契約期間を設けることが理想と考えます)
⑥ 駐車場の管理者又は管理受託者 : 書類作成日、該当する方の住所、氏名、電話番号を記入します。
(こちらは保管場所の所有者又は管理者の記入項目になります。必ず該当する方に記入を依頼してください)
保管場所の所在図・配置図
所在図作成のポイント
最寄駅や付近の目印となる建物より「自宅」が特定できるように書くことがポイントとなります。また、「自宅」と保管場所が離れている場合(直性距離で 2km以内)は、「保管場所」についてもその特定ができるように周りの目印となる建物や交差点名称を記入し、更に、「自宅」と「保管場所」を直線で表し、およその距離を記入します。
googleマップ等より該当する地域を印刷したものを添付することで、所在図の作成を省略することができます。その際、所在図記載欄には「別添資料の通りです」と記入するようにしてください。
配置図作成のポイント
申請車両を保管する場所を特定する平面図を作成します。ポイントは、申請車両を保管する広さ(サイズ)が確保され、通常の使用が可能であることを証明する必要が有ります。そのためには、保管する場所の縦・横の大きさ、保管場所出入口の広さ、駐車場に面する道路の幅を表記する必要が有ります。サイズ表記につきましては、正確な数字の記載までは求められていないようです。感覚的な数値の記載でも十分かと思いますが、できるだけ正しい数値の記載に努めてください(明らかに違うサイズ表記をした場合は、後に指摘を受けるケースもありますのでご留意ください)。
なお、こちらの記載は省略することはできません。
申請手数料額と納付方法
自動車保管場所証明申請(申請時)及び自動車保管場所標章交付申請(標章交付時)のそれぞれで手数料の納付が必要となります。なお、納付額につきましては、千葉県内の警察署に申請する場合を想定して金額を表示致しますが、提出先警察署(都道府県単位)により納付額が異なりますので事前にご確認下さい。
・自動車保管場所証明申請手数料・・・・・・2,200円
・自動車保管場所標章交付申請手数料・・・・・・550円
納付方法につきましては、令和5年12月10日(日)に千葉県収入証紙の売り捌きが終了となるため、それ以降はクレジットカード、電子マネー、QRコード決済、現金によるいずれかの方法による納入となります。よって、キャッシュレス化により、申請時と交付時に分けて納付していた手数料ですが一括で納入することがが可能となります。
なお、手持ちの収入証紙につきましては、経過措置期間の1年間に限り納入が可能となっております。
軽自動車保管場所届出
軽自動車保有による「新規検査」等の手続きには、車庫証明書の添付は必要とされておりません。軽自動車を保有した場合、その手続き完了後一定期間内に管轄警察署に保管場所の「届出」を行うことになります。
「軽自動車保管場所届出」では、届出書(申請書)の記入事項等で「自動車保管場所証明申請」とは多くの点で共通しますが、「届出」方法等に違いがありますのでご注意が必要です。
軽自動車保管場所の届出が必要な地域
「自動車保管場所証明申請」の案内では、車庫証明の申請を要しない地域があることをご説明致しましたが、「軽自動車保管場所届出」では、届出が必要となる地域がより限定されているため、「届出が必要な地域」が案内されております。
具体的にどの地域で届出が必要となるかは、「使用の本拠の位置」より管轄する市町村ごとに「届出」の要・不要を確認することになりますが、ご注意いただきたいのは、例えば、野田市の旧関宿町地域、柏市の旧沼南町地域では届出が不要地域となっており、同じ市町村内でも届出の要・不要の地域が混在している場合が有ります。
「届出」を行う前に管轄警察署に確認いただくことをお勧めいたします。
届出の必要な書類及び届出方法
「届出」に必要な書類は「申請」で必要となる書類から2点ほどの違いはありますが、さほど大きな違いはありません。次の書類をご用意ください。
1. 自動車保管場所届出書(新規・変更)(1通)
2. 自動車保管場所標章交付申請書(2通)
3. 保管場所使用権原疎明書面
・保管場所が自己所有又は自己管理の場合・・・・・自認書
・保管場所が他人所有又は他人管理の場合・・・・・保管場所使用承諾証明書又は契約書(写し)等
・保管場所が共有で保有又は管理の場合・・・・・・共有者全員の保管場所使用承諾証明書
4. 保管場所の所在図・配置図
5. 届出車両の車検証(写し)
※ 赤字が表記が「申請」との違いを表す書類になります。
「届出」の方法及び手数料
「申請」では、申請書の提出と申請場所標章の交付で2回(郵送による申請の場合を除く)「使用の本拠の位置」を管轄する警察署に伺う必要が有りましたが、「届出」では、管轄警察署に伺うのは、届出書を提出する1度限りとなります。
また、届出に係る手数料も、「自動車保管場所標章交付申請手数料」の500~600円ほどで手続きは完了致します。
届出書の書き方
「届出」に提出する書類の書き方は、「申請」の際に提出する書類の書き方とほぼ同じになります。
「申請書の書き方」でのご説明を参照いただきご記入ください。
まとめ
車庫証明の申請又は届出に必要な書類は、決められた項目に必要事項を記入するだけであり、さほど難しいものではありません。しかし、平日に警察署での「申請・届出」手続きや、さらに、その後、運輸支局で自動車登録手続きを行う(軽自動車は除きます)必要があり、平日に時間が確保できる方であればよいのですが、平日に時間が確保できない方には書類作成の難易度以上に煩わしい業務の思われるのではないでしょうか。
申請業務に慣れた行政書士であれば、それほどお時間もかけず業務を完了してくれます。どうぞ、お気軽にお声がけください。